農地転用と古墳の崩壊
2010年 05月 31日
私は、和歌山市農業委員会へ議会選任委員として所属しています。市農業委員会は市農地全般に関わる許認可権を持つ大切な委員会です。5月度は農地転用申請が多く出され、審査のために現地調査に出向きました。申請された1件は、畑地を資材置き場として転用申請がされました。既にミカン山は削り取られ、山肌がむき出しになっています。私は転用申請地域は県・市が指定している「埋蔵文化財包蔵地域」内に該当するのではないか、と思い、市教育委員会に確認したところ、開発地は指定地域内であることが確認されました。
当該埋蔵文化財包蔵指定地は埴輪製造窯跡でしたが、調査もされないまま古墳の点在する地域全体の膨大な面積は、無届け開発によってすでに跡形もありません。
和歌山市は海岸線に接し、地形は紀ノ川により平坦な平野が形成され、なだらかな丘陵は古代人にとって格好の居住地となっていました。市内では多くの古墳、住居跡地、遺物等の埋蔵文化財が現在においても地中に眠っています。(2009.5.18、ブログ。ミカン畑の脱根作業中、金環が発見された記事をご参照ください)
破壊された埋蔵文化財は二度と復元はできません。こうした違法行為を規制する対応が急がれます。
(写真は昨年、偶然発見されたミカン畑から出土した金環)