奈良県・川上村・朱雀(南)講演
2010年 08月 30日
8月25日、市議会・森林対策特別委員として、紀ノ川源流・奈良県川上村が主催する「源流の里」報告会に参加しました。紀ノ川は奈良県では「吉野川」となり、その源流は川上村です。紀ノ川の水は和歌山市民にとって水道水、農業用水として暮らしに欠かせない河川です。その水を守るためには源流となる森林の養生は欠かせません。和歌山市も「市民の森」として一定規模の自然林を管理する運動が進み、市議会でも各会派からなる「特別委員会」を設けています。
「源流」保存の報告に先立ち、奈良県樫原考古学研究所付属博物館・菅谷文則館長の記念講演がされました。紀伊半島全体を見て、奈良県南部はキトラ古墳の壁画「四神」の一つ「朱雀」の方向に当たり、講演は「平城京・朱雀(南) 川上村」と名うって講演がありました。
講演は「山岳宗教の誕生」「山伏の誕生」から「山頂遺跡」と奈良県各地の遺跡群との関連。国際遺産登録された熊野三山との宗教関連、弥生時代からの人々の交流等々、天皇制の誕生と南都との関連、「熊野神社・八咫烏と中国壁画との宗教関連」等々多義にわたる講義・3時間の講演は圧巻でした。
とりわけ「度牒」-律令時代に僧侶であることの証明公文書を携え修行を山岳で行ったことが全国に山岳宗教が栄え、各地に定着した経緯の詳細な講義は、私にとって未知の分野であったため新鮮さに時間を忘れメモをとっていました。
樫原考古学博物館へは今年5月の連休中に訪れ、中国のシルクロ-ドと日本文化への影響資料展を拝観し、専任学芸員からの説明を受け、館長へも挨拶をさせていただいたこともあり、今回の講演は和歌山県と奈良県との吉野川・紀ノ川の一つの流れとその文化の相互影響を改めて知ることができました。
紀ノ川源流の里・川上村を次に訪れる際は、新たな視点で訪れることとなり楽しみにしています。
(写真は熊野本宮 八咫烏扇」